つくばエクスプレスの終点、つくば駅前に広がる磯崎新設計の
ポストモダン建築・つくばセンタービル、その一角に位置するノバホールは、
定員約1000人のシューボックス型コンサート専用ホールです。
 このホールはその音響効果のよさで演奏家とくに弦楽器奏者にファンが多く、
当ホールで収録されたCDも増えつつあります。
 つくば市は人口20万人の都市ですが、この規模の都市の中では異例ともいうべき、
アマチュア演奏団体の多さを誇ります。
 ノバホールも、つくばコンサートやつくば国際音楽祭を始め、
そのような数多くのアマチュア団体が利用し、
その素晴らしい音響に恵まれながら、活発な演奏会活動が繰り広げられています。

TEL 029(852)5881
〒305-0031 茨城県つくば市吾妻1-10-1 

駐車場案内等
安永 徹さん(ベルリンフィルコンサートマスター)
私はこれまでノバホールで何度も弾いていて感じるんですが、弾いた音が目の前に浮かんでいるのが見える感じで、とても快いですね。こう、演奏家が無理に前に押してやらなくても自然にふわふわと流れていくんですよ。こんないいホー ルを身近に持っているんだからつくばの人たちは幸せです。
1989年、ニッポンオクテット演奏会の際のインタビューより

御喜美江さん(アコーディオン)

ノバホールの音の響きが演奏する上でとても心地よく、演奏中はこうやったらどうなるか、ああやったらどうなるか、と色々試しながら、楽しく演奏できました。

1994年のリサイタルの際のインタビュー

ハンス・イエルク・シェレンベルガーさん
(元ベルリンフィル首席オーボエ奏者)

響きのいいホールにまた来るよ。

1998年、ウィーンフィルのシュルツさんとのデュオリサイタルの際のインタビュー


林康子さん(ソプラノ)

このホールはとても歌いやすいし、聴いているみなさんの気持ちも伝わってくる素晴らしいホールです。

2000年のリサイタルの際のインタビュー。この演奏会のライヴ録音をCD化して発売中


ヴィクトリア・ムローヴァさん(ヴァイオリン)

ノバホールのことは憶えています。大変音響のすぐれたホールでした。

2001年の演奏会前に来日した際のインタビュー
命名と設計様式
 命名にあたっては、アポロ、パール、つくばね、うたがき、かすみ、さくら、シビック、シグナス、ノバ・・・など多数の案が検討された。
 結局、かぐわしい音楽芸術には永遠の神秘な光を放つ天体の名称を冠するのが似つかわしいということで、「シグナス」(白鳥座。十字にクロスしており、都心施設をよく表す)と「ノバ」(ラテン語。英語のNEW。「超新星」の意がある)が最終候補に残り。全体の語感,親しみやすさなどから「ノバホール」に落ちついた。
 公式には「多目的ホール」と定義されていたノバホールの建設に当たり、次の理念が掲げられた。

真に国際的な音楽祭を開催するところとしてふさわしい音楽堂にする
現下の日本の音楽界事情はあえて無視し、演奏家をして「ノバホールでこそ演奏したい。」といわしめる音楽堂にする。
多目的性の付与に当たっては、音楽堂の機能をいささかでも損なうものであってはいけない。

 この理念を実現するため、ホールの形態はムジークフェラインス(ウィーン楽友協会ホール)に学び、また理想の音響空間を求めてホール容積を決定してから座席の配置を行う手法がとられた。
 この結果、定員は1,003人となり、サントリーホールの2,006人と奇妙な倍数関係が生じている。
 また、大規模な残響可変装置が導入されることとなり、映写スクリーンや吊物類は、ステージ上の天板の丈夫に収納されている。
 ふだんは客席から見えないが、ノバホールを外から見るとマッチ箱状のものがかまぼこ屋根から突き出ているが、これがその収納部分である。

■ホワイエ第2号(1986年)より
音響の秘密
(1) ホールの大きさ
 ノバホールの音響がすばらしいことは、多くの演奏家が語ってもいますし、実際に足を運ばれてその音を聴いた方なら実感されていることでしょう。そのすばらしさの秘密を少し探ってみたいと思います。
 ホールを評する時、このホールはよく鳴るなどといった表現がつかわれます。この言葉のもつニュアンスは複雑なのでしょうが、端的にいって、この表現に一番重要な役割をするのは音量感でしょう。音源の出力を一定としたとき、室内の定常状態の音響エネルギー密度は残響時間に比例し、容積に反比例します。この観点で色々なホールを比例すると、ノバホールの音場のエネルギー密度は、ウィーンのムジークフェラインと比べてほぼ同じか、やや強め、サントリーホールやシンフォニーホールなどと比べると 1dB 程つよく NHK ホールなどと比べると 3〜4dB も強い事になります。このノバホールのエネルギー密度は、室内楽からオーケストラにわたる幅広い分野で適切な音量感を持つといえます。ただし大編成のオーケストラとなると少し容量不足感があり、レニングラード・フィルの演奏会などの際に、その印象を持たれた方もいらっしゃると思います。もっとも迫力は申しぶんないのですが。
 音量感を持たせるという点では、室容積は小さい方がよいが、残響時間の確保といった点では、室容積は重要な役割を持って来ます。残響時間は、室容積をV,室容積をSとするとV/Sと比例関係にあって、Vが大きいと同じ吸音率の壁でも残響時間が長くとれますので、鏡のような反射をしなくても残響が確保でき、設計の自由度が広くなって、ぬけのよい美しい響きが実現できると考えられます。Sは大体客席数に比例し、一番吸音率の高いのは人間ですから、客席ひとりあたりの容積V/Nの値を見ればこの点について比較ができるでしょう。そうすると多目的ホールで一人当たり7〜9立方メートルにたいして、最近の音楽専用ホールでは10〜12立方メートル程度取るようになってきている事がわかります。ノバホールではこのV/Nが一人当たり12.8立方メートルとかなり大きくとってあり、この意味では広いホールといえるかもしれません。適度な容積と贅沢な空間の利用が、あのすばらしい音響をつくりだす原因の一つというわけです。
■ホワイエ第3号(1986年)より
音響の秘密
(2) ホールのかたち
 ノバホールに入った時、「おや、このホールは形が普通のと違うぞ」と感じられた方も多いと思います。日本の多目的ホールの多くが、六角形のような多角形か扇状をしています。それに対してノバホールはシンプルな長方形で、これはちょうど靴箱を連想することからシューボックス型と呼ばれるものです。日本ではあまりまだ馴染みのない型ですが、19世紀後半に建てられた音響の良さでは有名なウィーンのムジーク・フェラインス・ザールやボストンのシンフォニーホールなどのホールはこのシューボックス型をしています。これはどういうわけなのでしょう。
 多目的ホールでは天井からの一次反射音を利用して、客席での均一な音場のエネルギー分布を作り出すように設計されています。これはスピーチの明瞭さといった点では非常に効果的ですが、コンサートホールの音場としては必ずしも最適な考え方ではありません。一次反射音の多くが客席によって吸収されてしまうために豊かな残響音成分が得られないからです。研究によると音に包まれるような感じを与えるのは横方向からの側方反射音による効果が大きいといわれています。この側方反射音が一番有効に得られるのがこの長方形のシューボックス型なのです。そのため、ここ数年に建設された音楽専用ホールの多くはこのノバホールをはじめとしてシューボックス型にすることが多くなってきているわけです。
 ところで話題のサントリーホールはベルリン・フィルハーモニーホールで採用されているものと同じワインヤード型と呼ばれています。この形は実例は少ないですが、最近注目されているもう一つの音楽ホールの形です。
■ホワイエ第5号(1987年)より
ノバホールへのお問い合せ:029-852-5881