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ステロイド外用剤を中止した場合のリバウンドの機序

 アトピーの治療でも最も困難なのが、ステロイド外用剤を中止した際に、症状が倍増するリバウンド(反跳現象)です。長期間使用すると体に慣れが起き、しまいにはより強いものを大量に使用しなければならなくなることが起こり得ます。ステロイドの継続使用時には、一見、皮膚炎はコントロールされているようですが、単に症状を抑えているだけの状態の場合が往々にしてあります。ですからやめれば以前にも増して悪化の状況に変化していくわけです。ステロイド使用をやめることで炎症細胞が撹乱を起こすと考えてください。もちろん個人差はありますが、使用した外用剤の強さ、期間、量におおむね左右されます。
  また、ステロイドは塗付部位の血管を介して逆に全身の皮膚にも供給されるので、やめたら患部のみならず、今まで症状が出ていなかった(隠れていた)顔などにもリバウンドが現れることがよくあります。この外用剤はステロイド(主剤)をワセリン(基剤)で溶いて塗りやすくしたもので、強さを5段階に分けています。最強と最低では100倍以上の差があります。 例えば、中等度のものを同じワセリンで2倍、3倍に薄めてもカサが増すだけで、より弱い製品よりも依然強いか、せいぜい同じレベルであり、量や回数を多く塗れば何ら変わり得ません。ステロイドを使用していても治癒していき、ステロイドをやめられる方もいますが、長期連用を余儀なくされる方は大勢います。
  私自身はアトピー治療には、まずステロイド以外の外用剤で開始しますが、すでに長期連用していた方で、リバウンドが激しい場合や、その恐れのある方は、低レベルのものを最初に使用する場合があります。リバウンドにおける治療も含めてアトピーの治療に関してのステロイドの使用の有無や使用法は各医師によって違いますので、選択の幅はあろうかと思います。

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