Q |
アトピー性皮膚炎や乳幼児の湿疹におけるステロイド治療の考えを聞かせてください。 |
A |
ステロイド剤は、塗った直後は症状が速やかに消退しますが、やめれば悪化するせいか、当院を訪れる患者さんのほぼ全員が使用したくないと言います。一つに疾患で、一般的に多く使用される薬剤が問題視されたり、また一人の患者さんが複数の医療機関を巡り歩いたり、さまざまな民間療法に活路を見出そうとするのは、ほかの疾患では類を見ないことです。これは、その治療に疑問を持ち、また結果に満足せず、よりよい治療を求めていることの現われと、とらえることができます。
ステロイドの使用に関しては、原因が特定でき、排除することが可能な場合や一時的な炎症(例えば虫刺され、金属や植物、食物、衣類によるかぶれなど)にはもっとも有効です。ただし、原因を特定できないもの、また原因検索を充分にしなかったものに対しては、当然ながら長期連用を余儀なくされる場合があり、その際に副作用が問題となります。私の経験から言いますと、アトピー性皮膚炎といえども皮疹の状態や訴え、問答である程度の原因を特定することができますし、実際的方法でこの原因を除去することも可能です。さらには、非ステロイドの外用剤のさまざまな組み合わせによって大部分の方はステロイドを使用しなくても充分に改善することが多いのです。逆の見方をするとその強力な作用のため、充分な生活指導、環境改善などの原因除去を行わなくても症状は消退しうる、いわば問題の解決を先送りさせる結果となるということです。ただ私が行っているような生活指導と非ステロイド治療は、一人ひとりがその原因も違いますし、また本人に一番良い外用剤を少しずつ試してもらうために、ある程度時間が必要となります。 |
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