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アトピー性皮膚炎について、食事やその他の生活環境には、どの辺りに気をつければ良いでしょうか。 |
A |
アトピーの食事指導といえば、卵、牛乳などの制限というのが一般的ですが、私は、違う方向から食事をとらえています。
まず、”植物油”です。現在、サフラワー(紅花)、コーン油がサラダ油と称されて多く利用されています。しかし、これらは痒みの原因となる物質を生産するリノール酸を50〜70%含んでいるので中止です。代わりにナタネ油、オリーブ油を使用してください。ナタネ油にはリノール酸が10〜20%しか含まれておらず、しかも、健康に良いとされる魚の油と同一で、他の食物油には含まれていないリノレン酸が含まれています。マーガリンはリノール酸系統の食物油なので中止してください。バターの方が好ましいです。チョコレート、インスタントラーメン、脂で上げたスナック菓子は、脂自体がすでに酸化している恐れがあるので中止です。同じくファーストフードも避けたほうがよいです。
卵や牛乳は原因物質の代表ですが、これらの食品は複合的な成分からなっており、当然母体(鶏や牛)が摂取した合成肥料、抗菌剤、牧草の農薬等の化学物質を含んでいる可能性があり、これらに対する反応も否定できません。牛乳は低脂肪のもの、卵はひら飼いの卵(多少高めですが)の方が、肥料に化学物質が入る危険性が少ないので安全だと思います。いずれにせよ、ごく少量から食べて、悪化するなら中止してください。
洗剤は純植物性のものを使用してください。柔軟剤や漂白剤は中止です。食器洗いには、ヤシノミ、大豆、ぬか洗剤を使用してください。
寝具のシーツは白い綿のサラリとした通常のものを使用してください。立毛しているもの、タオルケット状のものは刺激が強いので駄目です。また、衣類においては小中学校のポリエステルの運動ショーツは臀部の発汗を著しく妨げるので綿に代えてください。
私はこのようにアトピーを、”環境病”としてとらえ、指導しています。アトピーには衣食住の多岐に渡る細かな指導が必要です。患者さんの生活環境は十人十色ですから、生活指導は当然個人個人異なります。
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