不思議な玉



酒蔵を見学したことのある人なら、軒下に吊してある不思議な玉に気ずいているはずだ。
もしかすると、町の酒屋さんでも見たことがあるかも。
 これは「酒林」、または「杉玉」といって杉の枝葉を束ねて球状にあしらったもので、
酒造りが始まる晩秋から初冬にかけて、毎年、交換するのが習わし。
 酒林の色は月日とともに緑色から茶色に変化して貯蔵してある酒の熟成度を同時にあ
らわしているといわれている。
 昔の人は、酒林の色の変化でその蔵の酒の風味を知る目安、また新酒ができた目印と
してもあったようで、蔵元の看板といっても過言ではない。


戻る